大野まさき
ワクチン接種予約問題、議会との情報共有の問題など
多摩市では新型コロナウィルスワクチンの集団接種の予約受付が5月6日から始まりましたが、全国各地からの報道にもある様に多摩市においても予約受付についての苦情や混乱についての声がたくさん集まり、昨日10日の市議会災害対策連絡会において、それらの対応の現状について市側から説明がありました。
私の近所にも75歳以上の方の予約対象者の方が少なくないですが、「電話2台を駆使して予約した」「電話予約のAI対応で流れた番号案内のスピードが速すぎて書き取れない」「初めから接種日を決めてもらい、ダメな人だけ連絡をすることにしたら良いのに」といったご意見も頂戴しています。
実は、先週末7日金曜日に行われた議会運営委員会の後、非公式の場でしたが、急遽その場にいた議員に対して議長の呼びかけもあり、医療政策担当部長を呼んで、ワクチン予約受付について市民からの声を伝える機会がありました。6日の予約開始での混乱、苦情が各議員にも届いたことから、昨日10日月曜日の災害対策連絡会まで待ってからそこで初めて伝えるのだと遅いという議長の判断からだったようです。
また、医師会長から議長に直接連絡があり、医療従事者の枠で市職員が338人も摂取をするというのは、医療関係者の摂取が完了していないのにどうなのかという率直な思いが議長に伝えられたとのこと。
この市職員338人が摂取を行なったという情報は議長も含め、事前には議会側に話はありませんでした。それに加えて6日からの予約受付において高齢者がスムーズに予約できない状況があるのに何故市職員は優先されるのか理解できないとこともあり、7日は急遽そうした背景から市側に対して疑問を投げかける場となり、昨日10日の災害対策連絡会できちんと回答するよう求めていました。
昨日の災害対策連絡会では、市職員338人がワクチン摂取を行なった背景については「医療従事者の枠として、国・都からの指示もあり、集団接種会場に詰めることになる市職員についても、集団接種会場がクラスターとならないためにも接種が必要という判断をした」ということだったとのこと。議会に対し事前に説明がなかったことに関しては市長や部長からもお詫びがありました。立川市など他自治体では多摩市と同様な取り組みをした例と、目黒区など住民の接種を優先し自治体職員の接種がなるべく控えている例があるようです。そのことから、国と都の指示を踏まえつつも自治体の判断で対応が異なっているのではないかと感じます。昨日の災害対策連絡会でも質問がありましたが、近隣他自治体の例がどうなっているのか、報告を見てみたいと思います。
私が気になるのは、情報共有のあり方について、市側の構造的な課題があるのではということです。医師会長から疑問の声が寄せられたこと自体、異常な事態であると思いますし、コロナ対応について情報共有を行う災害対策連絡会という機会を設けている議会にも説明や報告自体がなかったことは、「何のための災害対策連絡会なの?」と副議長等からも疑問の声が上がり、同感です。
お詫びをしたから、「今後こういうことが無いように」という発言があったからそれで済ますということでなく、市の政策決定の構造的な課題として捉える必要があると考えます。