大野まさき
豊ヶ丘複合施設整備方針共同検討会/子ども・子育て会議
日にちが過ぎてしまいましたが、7月31日日曜日午後は豊ヶ丘地区市民ホールにて「豊ヶ丘複合施設整備方針共同検討会(第1回)」を傍聴しました。豊ヶ丘複合施設は1979年に建てられ、地区市民ホール、老人福祉館、図書館、児童館、学童クラブの5つの機能が備わった多摩市の公共施設です。多摩市の公共施設のあり方と個別施設の今後の方向性を明らかにし、次世代に負担を先送りしない、持続可能なまちづくりに寄与するとされた「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」が2013年に示され、当初、豊ヶ丘複合施設はその中で廃止とされました。
しかし、市民や議会内で異論が強く出されたことから2016年には「市民と利用者と対話を行いながら今後の施設の在り方について検討」と位置付けられ、その後市民ミーティングやワークショップを重ね、中間報告が作られ、コロナ禍で検討が延期されていましたが、今回、整備方針共同検討会の初回が開かれたという経過があります。来年3月までに整備方針を決定し、来年度・再来年度に基本・実施設計、その次の年度に工事実施をしたいとされています。
当日配布された資料では、市民ワークショップで寄せられた市民案の要点としては、
1.利用者同士が顔を合わせることができる開かれた入口があること
2.地域の地の拠点となる、市民同士のつながりが持てる場であること
3.バリアフリーに配慮し、各々の目的に応じた、思い思いの過ごし方ができる場であること
4.ここに来れば、相談ことがつながり、地域について考えられる場であること
が挙げられています。
検討が必要な課題としては、
1 .施設像や財政状況などを踏まえた検討
2 .関連する公共施設との総合的な連携の検討
3 .コンシェルジュ/相談員の可能性
4 .運営体制の検討
5 .政策立案を支える複合施設の可能性の検討
が市側から同資料で挙げられました。
また、施設整備の方法として、現施設の大規模改修なのか、解体した上での建替えなのか、それぞれの長所短所やコストを踏まえた検討がなされるとのことでした。
当日は参加された市民の方々から色々な意見や質問がありましたが、高齢化が進む地域の中にあることから、高齢者の日常生活における居場所としての機能と、子どもや子育て世代に魅力的な機能の両面を念頭に、財政状況を配慮されつつ施設が検討されると思われます。
8月4日木曜日の夜は、市役所で行われた「令和4年度第2回多摩市子ども・子育て会議」を傍聴しました。
多摩市子ども・子育て会議は、子ども・子育て支援に関する事項について調査審議することが目的とされ、15名の委員(内5名の市民委員)で構成されていますが、今任期の会議はこの回が最終回でした。
①多摩市子ども・子育て・若者プラン(第2期多摩市子ども・子育て支援事業計画)における令和3年度の推進状況について、②令和4年度エリア別認可施設入所保留者数・待機児童数・空き状況について、③令和4年度4月1時認可保育所の入園状況について、それぞれ市側の報告と説明、質疑応答がなされました。
今任期最終回ということで、最後に各委員から参加した感想について一言ずつ語られました。「多摩市には行政側と事業者側が連携図っている良さがあり、同会議が様々な情報・声を共有できる場として機能した」、「コロナ禍で大人の働く環境は大きく変わり、テレワークの進行で子育てと仕事を地域の中で上手く両立する時間ができた家庭と、サービス業従事者で仕事が激減し大変な状況に陥っている家庭と存在している」、「(昨年度当初と今年度当初では保育園の待機児童は12人から4人となった等)市民が市のこと(子ども子育て施策)をもっと語れることが必要だと思う」といったことが話されていました。
一方、子育て施設設置や待機児が減ったこと、新しい公園遊具の等は評価するが、遊歩道の側溝に蓋が無かったことで自身の子どもが大怪我を負ったある委員から「側溝部分の改修がなされていれば良かった」という意見もあったことも市政における政策の優先性のあり方として考えさせられるものだ思いました。
新しい大型施設よりも子育てや介護などの日常的な福祉、そしてインフラ再整備にこそお金をかけるべきということは会派や個人でも主張してきていますが、改めてその必要性を感じるものともなりました。
写真は、先日、地元自治会と団地公社との懇談の中で、「ベランダからのタバコの煙について、モラルを訴える内容のポスターが欲しい」という自治会運営委員の声に早速応えて、団地公社側が地区内各棟のエレベーター内に掲示してくれたもの。
